好きなことの定義とは
これから「好きなこと」を見つけるにあたって、「好きなこと」とはそもそも何なのかを説明しておきましょう。
ここでの「好きなこと」とは、「興味・好奇心を感じる分野」のことになります。
例えば、「教え導くこと」が好きな人は、「どうすればもっと相手が伸びるような教え方ができるのだろう?」と考えますし、プログラミングが好きな人は「なんでこのシステムは動かないんだろう?」と気になります。ラーメンが好きな人は「美味しいラーメンと不味いラーメンの違いはなんだろう?」と考えずにはいられません。
このように、自分が好きな分野のことに対しては、疑問を疑問のままで置いておくのに耐えられません。「知らない」ことを「知っている」という状態に変えたくなるものです。その差を埋めたいと感じる気持ちこそが「好き」です。好きな異性がいたとしたら、自然と興味が湧いてきて「もっと知りたい!」「もっと親しくなりたい!」と思いますよね。それも同じ「好き」です。
「好きなこと」には自然と興味が湧くので、それが仕事のモチベーションとなります。つまり、あなたが以下のように感じることが「好きなこと」です。
・なんで?
・どうして?
・どうすれば?
レオナルド・ダ・ウィンチは「食欲がないのに食べると健康を害すのと同じように、欲求を伴わない勉強はむしろ記憶を損なう」といっています。食欲が湧いてくるのと同じように、自然と「知りたい!」という欲求が湧いてくる分野を見つければ、仕事のモチベーションに困ることはなくなります。そんな分野を一緒に見つけていきましょう。
「野球が好きだから、野球関連の仕事を選ぶ」は間違い
「好きなこと」を仕事のした方がいいと言われる一方で、「好きなこと」を仕事にしてはいけないと言われることがあるのも事実です。それはなぜなのでしょうか?
実は「好きなこと」を仕事にする失敗パターンがあります。それは「野球が好きだから、野球関連の仕事を選ぶ」のように、「好きなこと」に直接関連している仕事を選んでしまうことです。
「好きなこと」という分野で仕事を選んでしまい、その仕事で具体的に何をするかを考えずに仕事を選んでしまうと大抵失敗してしまいます。例えば、学生時代から野球が好きだった場合はどうでしょう。
元々は野球選手になりたかったけれど難しそうだと感じたので、野球に関連した仕事を探すことにしました。そして、就職活動を頑張った結果、大好きな野球に携われる野球用具メーカーで販売職につけてよかった!と思いきや、なぜか心は満たされません。理由は簡単で、野球をプレイするのが好きだったけれど道具を販売することは好きではなかったからです。
「好きなこと」という分野しか見ていないと、この失敗パターンにハマってしまいます。大事なのはその分野で、自分がどんなことをやっている時に楽しいのかという「得意なこと」もセットで考えることです。
「野球が好き」でも、「野球のどんなところが好きなのか?」という理由は人それぞれ違っています。例えば、「野球のチームプレイが好き」なら仕事を考える時には「チームで取り組めるのか?」という視点が重要です。
「野球の能力をコツコツ高めることが好き」なら、「この仕事は技術を磨く楽しさがあるのか?」という視点を持った方がいいでしょう。また、「野球の戦略を考えることが好き」なら、「単純作業ではなく、自分の頭で考えられるか?」という基準で仕事を探す必要があります。
それが野球関連の仕事で実現できればもちろん素晴らしいことです。けれど野球以外でもその楽しさを感じることができる仕事はいくらでもあります。
「野球が好き!」という好きなことから、「野球のどんなところが好きなのか?」と考えてみましょう。
そこで出てくる答えは、あなたの「得意なこと」に関連しています。好きなことを仕事にするときは「分野」だけでなく「どんなところが楽しいのか?」もセットで考えてください。
「仕事にすべき好きなこと」と「仕事にしてはいけない好きなこと」の違い
実は、仕事にすべき「好きなこと」と、仕事にしてはいけない「好きなこと」があります。それをチェックするのは簡単です。「役に立つから好きなこと」は仕事にしてはい受けません。「興味があるから好きなこと」を仕事にしてください。
「役に立つから好きなこと」とは、やった後についてくる「結果」が欲しいからやっていることです。
「興味があるから好きなこと」は、触れているその瞬間が楽しいからやっていることです。
しかし、多くの人が「役に立つから好きなこと」を大事にしてしまって、「興味があるから好きなこと」を捨ててしまいます。あなたは「役に立たないから」といって、「興味があるから好きなこと」を捨ててしまっていませんか?
「役に立たない」という言葉は、好きなことを見つけようとしている人の足を止めてしまう最大の悪魔です。
「役に立つかどうか」という基準が強すぎると、好きなことは見つかりません。もちろん合理的に、効率的に生きるのは素晴らしいことです。何も無駄なことをしろとっているわけではありません。しかし、多くの人がハマってしまう1つの罠があります。合理性に人生を乗っ取られてしまうことです。
これはどういうことか説明します。
全ての行動が「これは役に立つか?」という基準をクリアしていないといけないように感じて、ブレーキがかかってしまうことがあります。その結果「好きなことをやって幸せに生きる」という本来の目的を見失ってしまい、「役に立つこと(合理的なこと)」しかしてはいけないように感じてきます。これが合理化の罠です。
このようなzyとうたいになってしまっている人は多いです。これでは好きなことがわからなくなって当然です。「役に立つかどうか?」という基準を一旦捨てて、まず純粋に自分が好きだと思えることを見つけ出しませんか?
どうやって仕事にしていくかを考えるのはそのあとです。
それでは、具体的に好きなことを見つけるワークをやっていきましょう!
-work- 5つの質問に答えて「好きなこと」を見つけ出す
Q1:今お金を払ってでも勉強したいことはありますか?
あなたが今、お金を払ってでも勉強したいことは何でしょうか?
例えば僕は、「教育」に関する書籍を大量に買っていますし、教育に関する講義動画なども積極的に見ます。自分の専門分野に関わる内容なのでもちろん仕事です。しかし僕にとっては仕事でなかったとしてもしている「遊び」のようなものです。
こんな風に「好きなこと」を仕事にすると、好きで勉強していることが仕事にも役立ってお金にもなるという循環を作り出すことができます。
あなたが今、お金を払ってでも勉強したいと感じていることはなんでしょうか?勉強したいと感じることは、あなたが興味を感じていることです。なので、その分野を仕事にすれば、仕事は自分が好きだからやっているという「遊び」になります。今勉強したい、体験したいと感じていることを書き出してみましょう。
Q2:本棚にはどんなジャンルの本が眠っていますか?
自分の本棚を眺めてみてください。そこにはどんなジャンルの本が並んでいますか?その中に、眺めるだけでワクワクするような本はありますか?これまでに時間をかけて読んできた本を眺めてみることで、自分がどんなことに興味を感じるのかを知ることができます。
今あまり家に本がないという場合は、ぜひ書店に行ってみてください。いろんな本が置いてある、できるだけ大きな書店がおすすめです。書店を一周回ってみましょう。そして、自分がどんな棚の前で立ち止まったかを観察してみてください。
この時のポイントは「役に立つから気になった」ではなく「なぜか気になった」本に注目することです。「なぜか気になった本」は直感で見つけた本です。そちらが本当の「好き」です。「なぜかわからないけれど、この分野に興味がある」と感じた本を選んでください。あなたが気になった本は、どんな分野の本でしたか?
興味の湧いた本の分野が、あなたがこれから仕事として関わっていくといい好きな分野である確立が非常に高いです。
Q3:これに出会えて「良かった!」「救われた!」と思える分野・ジャンル・ものはありますか?
「好きなことは何?」と聞かれてもなかなか答えられない人も、「これまで救われたことは何?」と聞かれれば答えられることがあります。これまで生きてきた中で「これに出会えて良かった!」と思える分野・ジャンルはありますか?
「救われた」と感じる経験から、その対象に興味が湧いて、好きなこととして仕事にし得ていくパターンはとても多いです。
あなたがその分野に出会えたのは、それを広めてくれる誰かがいたからではありませんか?
自分が出会って救われたと感じることは、非常に強いエネルギーを持っています。次は自分が救われたものを広げる立場として活動してみることはどうでしょう?出会えてと買ったと思える分野を考えてみることで、あなたの好きなことが見つかります。
Q4:これまで生きてきた中で「お礼を言いたい仕事」は何ですか?
あなたがこれまで生きてきた中で「お礼を言いたい仕事」は何でしょうか?お礼を言いたい人という観点で考えてもいいでしょう。僕の場合は、自分が悩んでいるときに親身になって話を聞いてアドバイスをくれる「メンター達」にお礼を言いたいです。大学1年生の時に自己理解を促して貰えたおかげで、自分らしく生きていいのだと気づくことができました。目の前の仕事がうまくいかない時にも、遠くを見ずにやると決めたことをやり切れば道は開けると言うことを教えてくれました。どういうふうに起業しようか悩んでいた時も、自分の失敗や成功も包み隠さず話してくれました。そのおかげで、一勝九敗でいいのだという考えになれました。次の目標はどうしようと悩んでいる時には、もっと上のステージがあるとハッパをかけて気づかせてくれました。次は自分が過去にお世話になった「メンター達のような存在」になって、人の人生を導くような存在になりたいと感じています。好きな分野で言うと「教育」ですね。
今も教育関連の仕事をしているように、自分が実践して身につけたことを次の人に教え、成長に関わる仕事がしたいと強く感じます。あなたが感謝しているのはどんな仕事に対してでしょうか?
Q5:これまでの人生で世の中に対する怒りを感じたことは何ですか?
あなたはこれまで、社会のどんなことに怒りを感じてきましたか?怒りとは、現状に対する不満です。「もっとこうしてよ!」と現状に対して、物足りなさを感じるから怒りが生まれます。あなたが怒りを感じる分野を少しでも良くするために働くことはできないでしょうか?あなたが社会に対して怒りを感じることは何でしょうか?その分野で働くことは、自然とモチベーションが上がるため、とてもおすすめです。
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