今回紹介するのは、実際の子育てというよりは親が子供のためにしてあげられることについてです。それによって子供の将来に大きくプラスになる可能性があることを紹介させてもらいます。
現在の遺伝学によると、遺伝子が子供の性格に与える影響は38%から50%ぐらいだとされていますが、親の育て方や家庭環境が子供の性格に与える影響はわずか0%から11%ほどしかありませんでした。
例えば、協調性については遺伝の影響が42%で、親の育て方や家庭環境はわずか1%だけです。最も影響を与えるのは友達との関係で59%の影響を与えます。
そのほかの性格的なことに関しての影響はほとんどが遺伝と友達によって決まっています。虐待などはもってのほかですが、そういうことがなければ、親がどんな育て方をしてもそれによる影響は良くも悪くもかなり少ないようです。子育てに対して変にプレッシャーを抱える必要はありません。
では親にできることTOP3に入っていきましょう。
親が子供のためにできること第3位:いい友達ができやすい環境を作る
周りの友達からの影響は思っている以上に大きいです。友達の作り方を教えてあげることもいいとは思いますが、これは親の普段の友達との接し方やコミュ力によるものも大きいです。親のコミュ力がないと子供のコミュ力を育てるのは難しいかもしれませんので、その場合はぜひ本などを参考にしてみてください。コミュ力は学習すれば伸びます。
友達からの影響が大きいということは、親にできることとして考えると、一生懸命働いていい友達が出来そうな学校に通えるようにしてあげることが大事です。
ガラの悪い人ばかりが通っている学校で育てた場合と、何かを一生懸命頑張っている人ばかりが通っている学校で育てた場合では当然かなり違うわけです。
ちなみに、学校にいくべきかどうかという議論は昔からありますが、学校は勉強しなくてもいくべきだと思います。これは自分と同じ年のコミュニティーができるからで、この学校に通う時間が長くなればなるほどIQが高くなるという研究もあります。
できるだけ小さい頃から自分と年齢の近い友達ができる環境を作ってあげるというのは、親にとって子供の将来のためにできることです。
ただ、親の影響や家庭環境の影響が少ないというのは、親との思い出が少なくてもいいということではありません。親と一緒に過ごした思い出というものは大人になってからも心に残るものです。このような経験は子供の将来のためにはとても大事です。
親が子供のためにできること第2位:干渉を最小限にする
真面目な親御さんほど一生懸命子供のために何かをしてあげようとすると思います。
子供のためと思い子供につきっきりのようになってしまう親御さんもいますが、これは子供の将来をダメにしてしまう可能性があります。
虐待などはもちろん論外ですが、子供のためと思い色々なことをやって干渉しすぎだ結果、それが子供の未来をゆがめてしまう可能性があるということを覚えておいてください。
実は、親が過干渉だった場合には、子供は将来自分を責めがちな人になってしまう可能性が高くなるといわれています。
シンガポール国立大学などが行った調査で、子供が7歳の時点から302人の親子を5年間追跡しています。
ここでは親がどれだけ子供に口を出すかということをチェックしています。
例えば、子供がパズルを解いている間に親が横から口を出したりする度合いをチェックして、それぞれの家庭における親が子供に干渉するレベルを確認しました。
それから5年経った時に、性格特性の中でも「自分をどれくらい批判するか」ということを調べています。
その結果、干渉が多い親に育てられた子供ほど自分を批判する傾向が高くなるということが分かっています。
自分を批判したり自分を責める傾向が高くなりました。
さらに、この自己批判的な傾向は、抑うつ症状や不安感の増加と相関するということも分かっています。
親が子供のためと思い色々なことをすればするほど、子供は自己批判傾向が強くなってしまいます。
自分はダメだと思い自信を持つことができなくなり、その結果不安を抱えやすくなり鬱になる可能性まで高くなるわけです。
こうなると色々なことに挑戦することもできなくなります。
親が子供に干渉しすぎるということは、子供にとって「自分は不十分な人間だ」という思いを抱かせてしまいます。
それによって、子供は極度に自分を批判するようになってしまい、自己批判が強くなるので失敗を恐れ挑戦することができなくなります。
これは最悪の場合不適応完璧主義というものになってしまいます。
完璧ではない自分を責めてしまいます。
完璧ではないから親に認められないのだと思うようになって、これは時間が経てば経つほど不安障害を抱えたりうつ病になる可能性が高くなります。
子供への干渉を最低限にしろと言われても、子供に色々と守らせないことがあると考える人もいると思います。これについては、明確でシンプルなルールだけを作ってあげてください。
子供が絶対に覚えられるルールを3つぐらいだけ作ってあげてください。
このルールにさえ反することがなければ他は自由にしていいという感じです。
このルールの作り方については、こちらの本がビジネスでも使える内容で非常に勉強になると思います。
こちらは僕も何度も読み直している素晴らしい本で、仕事でも優秀な人はとてもシンプルなルールに則って仕事を行います。
これは仕事だけでなく子育てに対しても使えます。
親が子供のためにできること第1位:欠点の活かし方を教える
先ほどの過干渉も同じですが、真面目に頑張ろうと思っている親御さんほど、子供の欠点があればそれをなくそうとします。
「友達と同じことができなければ恥ずかしい」「これぐらいできなくてどうするの」と、子供の弱点をなくそうと頑張ります。
これは親心ではありますが、苦手な部分や短所を治そうとするよりも「自分の欠点と表裏一体の強み」を見つけることを教えてあげてください。
例えば、ガブリエル・エッティンゲン博士の研究によると、ここでは大人たちを集めて性格テストを行った上で全員の衝動性のレベルをチェックしています。
衝動性のレベルをチェックした上で、彼らを2つのグループに分けています。
衝動性のレベルが高い人は感情のコントロールが苦手だけれど、その表裏一体のメリットとして、創造性が高くなるメリットがあるということを一方のグループには伝えて、もう一方のグループにはそこにはなんの関係もないと伝えました。
その後に全員に対して創造性をチェックするテストを行っています。
その結果、衝動性が高い人はクリエイティブになると言われた人たちは、本当に創造性が高くなったという結果が確認されています。
つまり、僕たちの強みも弱みも絶対的なものではありません。
これは捉え方で決まります。
強みも弱みも表裏一体のもので、みんなが弱みだと思っていることの裏側には必ず強みがあるということに気づかせてあげてください。
短所やコンプレックスにも必ずメリットがあります。
子供達に「弱みと強みは表裏一体で、弱みの裏側には必ず強みがある」ということに気づかせてあげてください。
そうすると、子供は将来自分の弱みを力に変えて活かすことができる人になります。
これはあらゆる性格特性に対して考えられます。
例えば、怒りっぽい性格と言うのであれば「勇気がある人」「自分の意思がある人」という言い方もできます。
怖がりで臆病な人と言うのであれば「用意周到な人」「準備が入念な人」という言い方もできます。
恥ずかしがり屋さんであれば、「謙虚な人」という言い方もできます。
悲観的で物事をネガティブにしか捉えない人であれば、ネガティブな人の方が物事を現実的に見ることができるという研究もあります。
鬱になりやすいというのも、実は、物事の分析能力が高いというメリットがあります。
人は気分が落ち込んでいる時の方が分析能力が高くなります。
全てのネガティブな性格や弱みには必ずメリットがあります。
それを言い換えて気づかせてあげてください。
このようにして育ててあげると、子供はきっと自分の才能を活かして素晴らしい将来を築いていくことができるはずです。
以上、親が子供にできることTOP3でした。
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